戦 略 ①
「松竹梅」を核とした清酒の商品戦略
宝酒造が国内で展開する酒類・調味料事業では、当期から 新しい商品戦略を進めています。従来からの基本方針である 「技術で差異化された商品の開発・育成」を継続しながらも、
市場の変化によりスピーディかつタイムリーに対応していく ために、新商品の開発体制を強化しました。事業部門と技術 部門が密接に連携することで、市場ニーズや販売動向など、 営業現場からの鮮度の高い情報に基づいた商品開発を各 カテゴリーで推進しています。これによって当期の新商品 発売数は、前期の18 ブランドから31 ブランドへと大幅に 増加するなど、成果が形となって着実に表れはじめています。 次期からの新たな3 カ年計画である「宝グループ中期経営 計画2019」では、この戦略をさらに強化します。既存の基幹 商品や戦略商品への注力とともに、それらを補完する新商品 の開発・投入による商品ラインアップの拡充を進め、「抜け・ モレ」のない商品構成を敷くことで、酒類・調味料の各カテゴ リーにおける競争力を高めていきます。
市場の変化にスピーディに対応する
新商品開発体制
酒類・調味料事業の中でも、特に注力しているカテゴリー が清酒です。当社の清酒 松竹梅 のブランド価値をさらに向 上させるため、現在は大きく4つの戦略を推進、新商品の発 売・育成にも積極的に取り組んでいます。
まず、戦略商品である「澪」については、2016 年12 月に 松竹梅白壁蔵「澪」<GOLD>スパークリング清酒 を数量 限定で発売しました。新しい市場・ユーザーを開拓し、清酒 市場全体の活性化を図るべく、今後も引き続きブランド育成 に注力していきます。また、ボリュームゾーンであるソフト パック市場では、松竹梅「天」を中心にシェアを拡大すべく、 ラインアップとして 松竹梅「天」<辛口純米> を発売、好評
清酒カテゴリーの商品ラインアップ拡充に注力
を得ています。業務用ルートでは、業務用専用ブランドである「豪快」に純米酒など特定名称酒を投入し、業務用清酒No.1の 地位盤石化に注力しています。そして、近年拡大している中小容 量(特定名称酒)市場に対しては、特撰松竹梅<純米大吟醸> などを発売し、ラインアップを強化しました。こうした商品戦略 の推進と新商品の寄与もあり、当期は国内の清酒市場全体が 縮小傾向にある中、当社は販売数量を拡大することができました。 今後も清酒を中心に酒類・調味料各カテゴリーの売上高 を拡大していくとともに、高付加価値商品の販売構成比を 高め、利益率を向上させることで、国内の酒類・調味料市場 における和酒No.1メーカーとしての確固たるポジションを 確立していきます。
ソフトパック 市場での シェア拡大
業務用清酒 No.1の 地位盤石化 新市場・
ユーザーを 開拓
拡大する 中小容量(特定名称酒)
市場での商品 開発・育成
宝酒造
和酒No.1メーカー
のポジション確立
に向けて
松竹梅「天」
松竹梅「豪快」 松竹梅白壁蔵「澪」
スパークリング清酒
New!
松竹梅「天」 <辛口純米> (2016年9月発売)
特撰松竹梅「豪快」 <純米>辛口 (2016年8月発売)
特撰松竹梅 <純米大吟醸> (2016年9月発売)
松竹梅特定名称酒シリーズ 「よろこびの清酒」
松竹梅 松竹梅白壁蔵 「澪」<GOLD>
スパークリング清酒 (2016年12月数量限定発売)
01
14,131
16,202 16,314
19,737
18,180
戦 略 ②
02
海外日本食材卸事業の売上高推移
2017年7月、宝グループは宝酒造の海外事業を「宝酒造 インターナショナル」として分社化しました。
宝酒造の海外事業の歴史は古く、清酒「松竹梅」を米国に 初めて輸出したのは1951年のことです。1982年には米国 で清酒の現地生産を開始、その後も海外酒類事業を着実に 拡大してきました。
大きな転機となったのは、2010年4月にフランスの日本食材 卸会社フーデックス社の株式を取得し、海外日本食材卸事業 に参入したことです。その後もイギリスのタザキフーズ社、 スペインのコミンポート社を相次いでグループに迎え入れ、 同事業を急速に拡大してきました。当期も、2016年7月にポル トガルのケタフーズ社を、同年11月にはかねてよりパートナー 関係にあった米国のミューチャルトレーディング社を、そして 2017年1月にはオーストラリアのニッポンフード社を新たに グループに迎え入れ、日本食材卸ネットワークを欧州・米国・ 豪州に拡大しました。
宝酒造インターナショナル設立の大きなねらいは、こう した海外事業の成長をさらに加速させることです。各国・ 各地域の事業環境に対応した、より迅速で的確な意思決定と、 海外拠点を含めた事業基盤の整備・強化を図っていきます。
宝酒造の海外事業を
「宝酒造インターナショナル」として分社化
世界での日本食市場がますます広がりを見せる中、当社 グループは、海外日本食材卸事業でこれまで構築してきた強 力なネットワークを活かし、既存市場での拡販と周辺エリアの 開拓によってグループ各社の事業成長を図るとともに、さら なる拡大に向けて新たなパートナー企業の選定も進めます。 一方で、グループ企業間におけるシナジーの創出にも取り組 みます。ミューチャルトレーディング社のグループ化によって 従来の2倍以上となった事業規模を活かし、将来的には共通購 買による調達コストの低減や戦略商品の各地への流通、業務プ
海外での清酒需要の高まりを受け、海外酒類事業では、海 外専用プレミアム清酒の開発や、特定名称酒のラインアップ 拡充に注力します。国内からの輸出戦略を強化するととも に、米国宝酒造(米国)や宝酒造食品(中国)では現地産と日 本産の双方による品揃えを強化します。
また、スパークリング清酒「澪」のグローバルブランド化に向け た取り組みも進め、海外和酒市場での競争力をさらに高めます。 ロセスやシステム面の共通化なども推進していく方針です。
ネットワークのさらなる拡充とシナジーの創出
重点戦略 ①
宝酒造インターナショナルグループ
分社化により
成長スピードを
加速
海外和酒トップメーカーのポジションを堅持
海外でのさらなる事業拡大を目指す一方で、グローバル規模での事業リスク抑制にも取り組みます。新たにグループに迎え入れた企業に対しては、宝ホールディングス専門チーム との連携により、内部統制や会計、品質保証といった事業基盤 の整備に向けた取り組みを強化します。
同時にグループ各社の業績面だけでなく、コンプライアン スの徹底やリスクマネジメントの推進など、経営全般に対す る管理体制も強化し、世界の和酒・和食市場におけるリー ディングカンパニーに向けて歩を進めていきます。
中長期的な事業成長を見据え、
事業基盤を強化
重点戦略 ②
欧州
2016 2015 2014
2013 2017 2018 2020(3月期) (目標) (計画) 米国 豪州
700
600
500
400
300
200
100
0
2012 2011 (億円)
ケタフーズ社、 ミューチャル トレーディング社、 ニッポンフード社の
グループ参入
海外日本食材 卸事業の拠点 海外酒類事業 の拠点
宝酒造インターナショナルグループの
海外事業ネットワーク
日本酒の輸出量の推移
2016
2015 2014
2013 (年) 出典:財務省 貿易統計
20,000
15,000
10,000
5,000
0 2012
(kl) 宝酒造食品
トマーチン 英国駐在事務所 タザキフーズ
パリ駐在事務所
上海宝酒造貿易
宝酒造アジア パシフィック
米国宝酒造 エイジ・
インターナショナル
(2016年11月∼連結子会社化)
(2017年7月∼)
(2017年1月∼)
ミューチャルトレーディング
ニッポンフード 宝酒造インターナショナル フーデックス
グループ
海外日本食材卸事業
海外酒類事業 フーデックス
コミンポート
(2016年7月∼) ケタフーズ
タザキフーズ社の 「Yutaka」ブランド
海外日本食材卸事業の
取り扱い商品例
3,251
3,749 4,500
戦 略 ③
03
遺伝子治療・細胞医療の社会実装化の環境を完備
超微量核酸解析のスキーム
タカラバイオグループが成長分野として現在特に力を注 いでいるのが、再生医療等製品などの研究開発パートナー として、幅広い開発・製造支援サービスを提供する「CDMO 事業」です。同事業の中核拠点となる「遺伝子・細胞プロセッ シングセンター」では、再生医療等製品の製造や細胞加工な どの再生医療等製品開発支援サービスを幅広く提供。隣接 する「バイオメディカルセンター」では、次世代シーケンサーに よる遺伝子解析などの遺伝子検査支援サービスを提供して います。これらの連携によって付加価値の高い受託サービス を ワンストップ で提供できる強みを活かすことでCDMO 事業は着実に成長しています。
2017年4月には神奈川県が運営する再生・細胞医療の 実用化・産業化拠点「ライフイノベーションセンター」内に 設置した新たな細胞加工施設「遺伝子・細胞プロセッシング
「CDMO事業」を軸とする持続的な成長
海外での事業拡大にも積極的に取り組んでいます。2017年 1月には、超微量DNA解析技術を保有する米国のRubicon社 を、同年2月には独自のシングルセル解析システムを保有する、 同じく米国のWaferGen社を、それぞれ全株式の取得によって 買収しました。
Rubicon社がグループに加わったことで、同社の持つ超 微量DNA配列解析用サンプル調製技術と、当社グループの 持つ超微量RNA配列解析用サンプル調製技術が補完的に 組み合わさり、超微量核酸解析領域でのより幅広い製品・ サービスが提供可能になりました。さらに、WaferGen社の 次世代シーケンス解析用前処理システム(装置)が加わること で、基礎研究から産業応用まで、幅広い領域への製品・サービス が提供可能となります。
国内事業の強化と海外での事業展開の加速を両立させる ことで、タカラバイオグループ全体での飛躍的な成長を目指 していきます。
センター LIC分室」を稼働させ、事業全体での製造能力は 約1.5倍に拡大しています。
Rubicon社とWaferGen社の買収で
シナジーを最大化
海外展開の加速
タカラバイオグループ
国内事業強化、
海外展開加速で
飛躍的成長へ
国内事業の強化
CDMO事業の売上高
2020 2018
2017 (3月期) (計画)
(実績) (目標)
ライフイノベーションセンター外観 (神奈川県川崎市) 5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0 (百万円)
細胞加工施設
「遺伝子・細胞プロセッシングセンター
LIC分室」が稼働
再生医療等製品の開発を
ワンストップで支援
臨床で使用される幹細胞や遺伝子導入細胞などの細胞加工 受託サービスを提供するほか、自社が進める遺伝子治療プロ ジェクトの治験薬を首都圏の治験施設に提供する細胞加工 拠点としても活用していきます。
病院 クリニック
遺伝子 導入細胞
遺伝子 導入細胞 採血
採血 採血 遺伝子導入細胞 WaferGen
ハイスループット定量PCR装置 WaferGen
シングルセル 解析装置
Clontechブランド
超微量 RNA解析技術
タカラバイオ
受託解析サービス 受託解析サービスタカラバイオ
セルフリー核酸血液 循環腫瘍細胞
ハイスループット 定量PCR解析 次世代
シーケンス解析 1細胞
RNA解析 DNA解析
次世代シーケンス解析用ライブラリー
WaferGen 自動ライブラリー作製装置
Rubicon
超微量 DNA解析技術
血液 細胞 臓器
WaferGen 自動ライブラリー
作製装置
バイオメディカル センター
遺伝子検査 再生医療等製品 遺伝子・細胞 プロセッシングセンター
・再生医療等製品の遺伝子検査 ・ヒト全ゲノムシーケンス解析 ・がん関連遺伝子の網羅的解析 ・遺伝子発現解析
・細胞加工 ・iPS細胞作製 ・ベクター製造 ・セルバンクの作製・保管
・遺伝子、抗体、タンパク質などの作製、解析 ・次世代シーケンサー・アレイ解析 ・シングルセル解析・ゲノム編集
先端的研究支援
遺伝子工学/細胞工学 基礎研究支援
再生医療等製品関連受託 遺伝子研究・検査受託
病院 クリニック
遺伝子
導入細胞 採血
バイオメディカル
センター プロセッシングセンター遺伝子・細胞